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治療院の節税対策

治療院に特化している上田公認会計士事務所では、多くの節税に関するご相談を頂きます。今回は、その中から一般的な王道の節税対策とは別に治療院ならではの節税対策についてご紹介します。

(1)従業員への専門学校学費の支給

最近顧問先の治療院では従業員の求人を出してもなかなか求職者がこないという話を聞きます。これは若い人が減っているからでしょうか?でも柔道整復師の人数は毎年増加しています。矛盾した状況が治療院の現場で生じています。そこで現在専門学校に通っている学生をアルバイトで雇い、国試合格後正式に雇用するやり方で従業員を確保されたり、無資格の従業員に便宜をはかり専門学校に通わせたりすることがあります。このような場合に従業員の専門学校学費を事業主が全部または一部負担することがあります。これは事業の必要経費になるのかという質問がよくあります。

従業員に実技の講習会などに行かせた際の講習費用は、講習後治療院の売り上げに貢献するので必要経費になります。一方国家資格を目的とする専門学校の学費は直接治療院の売り上げに貢献するものではないので事業主の必要経費にすることはできません。

しかしやり方によっては必要経費とすることができます。先ず、当初の学費の援助は従業員への貸付金とします。従業員とは契約書を結びます。この貸付金は従業員が国試に合格し、その後その治療院で何年か勤務すれば免除します。途中でやめた場合は、その勤務期間によって貸付金の非免除部分を返済してもらいます。免除額はその従業員の給与扱いとなり、事業主は結果として必要経費として処理することができるのです。学費の支出時には必要経費にできませんが、従業員が国試に合格後その治療院へ勤務することによって経費処理ができるのです。

ただしこれは程度問題で、あまり金額が多いと、事業主の免除額は寄付金扱いとなり経費にならず、従業員に債務免除益課税の問題も生じますので事前に顧問税理士にご相談ください。また国試合格後の勤務期間(いわゆるお礼奉公)を契約で拘束することはできませんので契約書の作成にもご留意ください。このケースで、国試合格後の勤務期間に貸付金を給与天引きで返済してもらう場合はこのような問題は生じません。

(2)分院の開設・本院の引っ越し・修繕

・分院の開設

利益が出た際、積極的な設備投資により利益を圧縮することができます。ひとつは、分院を開設することです。分院の開設費用のうち、一品10万円以上で資産となるものは減価償却により必要経費となります。賃借物件の敷金、保証金は必要経費になりませんが、退出時返還されない部分は、いったん資産計上し、償却することで必要経費になります。また家賃の支払いを年払い契約にすると、年払い家賃を全額支払った年度の必要経費にできます。個人事業で、12月に分院が開業、家賃月額20万円の場合、家賃を月額支払にするとこの年度20万円しか必要経費にできません。しかし年払いにして12月に年払い家賃240万円の支払いをすると、この全額がその支払い年度の必要経費にできるのです。

治療機器も買い取りの場合はいったん資産計上し、償却することで必要経費になります。リースの場合は、家賃同様リース料を年払いにすることにより利益を圧縮できます。個人事業で、12月に分院が開業、治療機器のリース料月額5万円の場合、リース料を月額支払にするとこの年度5万円しか必要経費にできません。しかし年払いにして12月に年払いリース料60万円弱の支払いをすると、この全額がその支払い年度の必要経費にできるのです。ただ分院を節税目的だけで開設すると失敗します。分院長、スタッフを本院で2、3年かけて育ててからにしましょう。この場合本院で将来の分院長等を育てるため余分に人を採用しますが、これは人件費として必要経費になります。

・本院の引っ越し

次に本院の引っ越しですが、より駅近、そしてより広いところに本院を引っ越しすることも前向きな設備投資になります。旧店舗が賃借物件の場合、退去時テナントの負担する原状復帰費用は全額必要経費になります。また旧店舗の内装費用、看板代等で減価償却しているものは退去時に簿価(取得価額-償却累計額)が除却損として必要経費になります。分院開設の場合と同じように、新しい賃借物件の家賃、新しい治療機器のリース料について年払いを行い、利益を圧縮することができます。経営的には分院展開より本院を大きくしていく方が、メリットが大きいように見受けます。かつて保険者の審査が今のように厳しくなかったころは分院展開でそれなりの利益がとれましたが、今はなかなかそうはいかなくなってきています。また人の問題で、分院は分院長次第で売上が多くなったり少なくなったりします。場所が離れると分院の管理も分院長任せとなります。また分院長にはそれなりの給料を支払わなければなりません。本院を大きくしていく方が、管理が楽で人件費も抑えられます。弊事務所の顧問先でみてみると、売上に対する経費率も分院展開すると大幅にアップしています。なかでも人件費率が高くなっています。

・修繕

次に修繕ですが、店舗型ビジネスは定期的にリニューアルを行わなければ客数が減少していきます。治療院も外見が小汚いと患者が来ない時代になりました。開業して5年10年経つと、当初はきれいだった待合室や治療室も小汚くなってきます。しかし院長はそれに気がつきません。毎日見ているので小汚くなったのがわからないのです。そこで外看板や内装をリニューアルする場合、これらの費用は全額必要経費処理できるでしょうか。基本的に壁紙や床の張り替え等現状維持となる修繕費は全額必要経費になりますが、機能アップとなるものはいったん資産計上し減価償却により必要経費になります。例えば床がじゅうたんだったのをフローリングにした場合は機能アップとなるでしょう。棚を追加した場合もその棚の部分は機能追加となります。従って上手に節税するには、業者に現状維持部分と機能アップ部分を分けて注文明細を作成してもらうようにしてください。

 

お気軽に無料相談へお越しください

今回ご紹介した治療院の節税対策は一部ですので、さらに詳しく知りたい方はお気軽にお問い合わせください。また、税務・会計の分野でお困りのことがございましたら、無料相談を実施しておりますのでご連絡お待ちしております。

 

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